2026年3月30日 発行
1.2026年2月の地震活動
気象庁が公開しているCMT解によると,2026年2月の地震個数と総地震断層面積のPlate運動面積に対する比(速報36)は,日本全域で19個0.112月分,千島海溝域で2個0.017月分,日本海溝域で6個0.135月分,伊豆・小笠原海溝域で0個,南海・琉球海溝域で11個0.216月分であった(2026年2月日本全図月別).
2026年2月の総地震断層面積規模はΣM6.1で,最大地震は2026年2月13日の琉球小円区深度32㎞の西南海溝琉球震源区TrPhRkM5.6ntで,M6.0以上の地震は無かった. 昨2025年にはM6.0以上の地震が17個あったが,12月に6個集中し,無かったのは2月・3月・8月で,今月2026年2月は半年ぶりの無M6.0月である.
2026年2月までの日本全域2年間のCMT解は396個で(図648),その総地震断層面積規模ΣM8.9のPlate運動面積規模M8.2に対する面積比は5.392倍と大幅に超過している(図648の中図上).日本全域と千島海溝域のBenioff曲線(図648右図上左端Total/4と右端Chishima[A])は2025年7月30日の最大地震M8.8(月刊地震予報191)の巨大な段差に隠され他の段差は見え難いが,琉球南海域(図648右図上左端の右側のRykNnk[D])には,下端の2024年4月3日の台湾海溝震源帯M7.4(月刊地震予報176),2024年8月8日九州小円区深度36㎞の日向灘M7.0(月刊地震予報180)の2つの段が認められ,それ以降静穏化していたが,2025年1月13日日向灘M6.7(月刊地震予報185)の3つ目の段が認められる.千島海溝域は,2025年に入り完全無CMTを保ってきたが(図648右下地震断層面積移動平均規模areaM図右端A),5月31日に5月最大地震M6.1が起こり(月刊地震予報189),6月22日にも6月最大地震M6.0が続き半年ぶりに活動期入していた(月刊地震予報190).琉球南海域[D]では6月22日に悪石島連発地震が開始され(月刊地震予報190),千島海溝域で7月30日のM8.8最大地震(月刊地震予報191)に続き9月19日M7.8が起こったが歪軸方位に変化がなく(月刊地震予報193),千島海溝域の歪の完全解放に至っていない.静穏化の続いていた日本海溝域[B]では2025年12月8日の最大地震東北前弧沖下北震源区ofAcJSmkM7.4psに続きその東方の深度の浅い東北弧沖襟裳南震源区oAcJEsで12月9日M6.0Ps・M6.5Ps・12月12日M6.8psと東北弧沖久慈震源区oAcJKjM12月31日M6.0Psが起こっていたが(月刊地震予報196),2026年に入り千島海溝域の択捉沖で1月最大地震が起こり,巨大地震の予想される得撫に近付いている.

図648 .2026年2月までの日本全域2年間CMT解.
左図:震央地図,中図:海溝距離断面図.震源円の直径は地震規模Mから算出される地震断層長L km( =10^(0.6M-2.9 ))で,面積は地震断層面積Sf km^2 ( =10^(1.2M-9.9) )に比例月刊地震予報173).ただし,この期間の地震規模は小さいのでCMT規模にΔM+1.0を加えて4倍拡大した地震断層長を使用.数字とMは,M7.0以上と2026年2月最大のCMT解発生年月日・規模.
右図:時系列図は,海洋側から見た海溝域配列に合わせ,右から左にA千島海溝域Chishima,B日本海溝域Japan,C伊豆・小笠原海溝域OgsIz,D南海・琉球海溝域RykNnk,日本全域Total,を配列.縦軸は時系列で,設定期間開始(下端2024年3月1日)から終了(上端2026年2月28日)までの730日間で,右図右端の数字は年数.設定期間の250等分期間2.9day(右下図右下端)毎に地震断層面積を集計・作図(速報36;特報5).
Benioff図(右上図)の横軸はPlate運動面積で,各海溝域枠の横幅はこの期間のPlate運動面積に比例させてあり,左端の日本全域Total/4のみ4分の1に縮小.
階段状のBenioff曲線は,左下隅から右上隅に届くように横幅を合わせ,上縁に総地震断層面積ΣMのPlate運動面積に対する比を示した.下縁の鈎括弧内右の数値[8.2] [7.9] [7.6] [7.5] [7.9]は設定期間のPlate運動面積が1個の地震として解放された場合の規模で,日本全域ではこの間にM8.2の地震1個に相当するPlate運動歪が累積する.上図右下端の(M6.1step)は,等分期間2.9日以内にM6.1以上の地震がTotal/4のBenioff曲線に段差を与える.
地震断層面積移動平均規模図areaM(右下図)の横軸は地震断層面積規模で,等分期間「2.9day」に前後期間を加えた8.7日間の地震断層面積を3で除した移動平均地震断層面積を規模に換算した曲線である.右下図下縁の「2,5,8」は移動平均地震断層面積規模「M2 M5 M8」.右下図上縁の数値は総地震断層面積(km2単位)である.
areaM曲線・Benioff曲線の発震機構型による線形比例内分段彩は,座屈逆断層型pbを橙色・剪断逆断層型psを赤色・横擦断層型nを緑色・正断層型tを黒色.
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2.2026年3月の千島巨大地震への歩み
千島海溝域は,千島和達δ得撫震源区WdtiDCUrの2012年8月14日M7.7pb深度610㎞・千島和達δKamchatka震源区WdtiDCKamcの2013年5月24日M8.3深度632㎞以降,長期静穏期にあったが,2025年初からCMT解の無い数か月の完全静穏期を経て活性化し,千島弧沖Kamchatka震源区oAcCKamcの2025年7月30日Kamchatka地震M8.8psを起こし(月刊地震予報191), 2025年12月8日東北前弧沖下北震源区ofAcJSmkM7.4ps・東北弧沖襟裳南震源区oAcJEsの2月9日M6.0Ps・12月12日M6.5Ps・12月28日M6.8psと東北弧沖久慈震源区oAcJKjの12月31日M6.0Ps(月刊地震予報196)・千島弧沖択捉震源区oAcCEtrの2026年1月13日M6.2Ps(月刊地震予報197)を誘発した.これらの地震は,何れも海洋側に凹の海溝軸輪郭の千島海溝北・南端に位置し,余剰Slabの襞と島弧地殻・Mantleとの接触面に沿う剪断逆断層型ps型である(図849右下歪軸傾斜方位図上端の赤丸).

図649 .2026年2月までの千島海溝域CMT解震源分布.
下縁凡例:海溝域名,発震機構型による彩色とCMT解個数,初・終・最大CMT解
震源円の直径(中図下凡例)は,CMT解規模Mから算出される地震断層長L km( =10^(0.6M-2.9))で,その震源円面積は地震断層面積Sf km^2 (=10^(1.2M-9.9))に比例(月刊地震予報173).震源円内の直線が主歪軸方位.
左図:震央地図(正距円筒図法で縮尺は中図・右図と合致).青色曲線が海溝軸.枠外が緯度・軽度.数字とMは,CMT解発生年月日・規模.
中図横軸:海溝距離(百㎞目盛).
中上図:地震断層面積移動規模曲線areaM・地震断層面積積算曲線Benioff,
中下図:海溝距離・地球中心距離(百㎞目盛)断面図.数字とMは, CMT解発生年月日・規模.
右図横軸:海溝軸縦断面図,海洋側から見た海溝軸輪郭に沿う距離(百㎞目盛),右から左にKamchatka小円区・千島小円区・襟裳小円北区・南区を配列.
右最上図:地震断層面積移動規模曲線areaM・地震断層面積積算曲線Benioff.
右上図:縦軸が深度(百㎞)の深度断面図.
右中図:時系列図で縦軸:下端が設定期間開始(1994年9月1日)で上端が終了(2026年2月28日).右縁の数値は年数.2010年上の横線は2011年3月11日東北弧沖平成oAcJHs巨大地震M9.0発生時刻.
右中図左端左:時系列地震断層面積移動規模曲線areaM(上縁の「2 5 8」はM2 M5 M8).地震断層面積規模は,等分期間「46.0day」に前後期間を加えた138.0日間の地震断層面積を3で除した移動平均地震断層面積を規模に換算した曲線.
右中図左端右:地震断層面積積算曲線Benioff(左下端から右上への斜線はPlate運動面積積算直線,上縁の数値「1.458」は,総地震断層面積ΣM9.0がPlate運動積算面積M8.9の1.458倍であり「F」はBenioff曲線上端を図右端に合致させていることを示す.
areaM曲線とBenioff曲線の発震機構型による線形比例内分段彩は,座屈逆断層型pbを橙色・剪断逆断層型psを赤色・横擦断層型nを緑色・正断層型tを黒色.
右中時系列図右下縁の「9.8km」は右図横解像度,「/3.2km」は縦断面図縦解像度.「/46.0 day」は時系列図の集計・作図間隔で設定期間の250等分期間の46.0日(速報36;特報5).「/M7.5」は,等分期間46.0日以内にM7.5以上の地震がBenioff曲線に段差を与える.
右下図:主歪軸傾斜方位図(中央横線TrDipは基準の海溝軸傾斜方位で上下端がその逆方位,中央付近の紫色折線SubはPlate相対運動方位,「N E S W」は北東南西方位).
右下図下縁:「Axis」は主歪軸,丸印は座屈逆断層型pb・剪断逆断層型ps・圧縮横擦型npの主圧縮歪軸方位,三角印は正断層型t・引張横擦型ntの主引張歪軸方位.
右下図左の「ΣM9.0」は総地震断層面積規模,「/M8.9」は設定期間中のPlate運動面積がM8.9の地震断層面積に相当,「maxM8.8」は最大CMTがM8.8,「n=1135」は総CMT数が1135個.
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千島海溝中央域の海洋側に凸の海溝軸輪郭から沈込む得撫Ur・新知Sms・松輪Mtw震源区では,沈込Slab面積不足の為にSlabは裂けなければ沈込めない.裂け目が海溝軸に達していない不完全裂開の場合には海溝外の海洋底破断を伴う(月刊地震予報197,図647).2009年1月16日千島海溝松輪震源区TrCMtw のM7.4Pbがこの海溝外地震である(図649).これに先行したSlab沈込みは,2006年11月15日oAcCMtwのM7.7Pb・2007年1月13日TrCMtwのM7.8Teであろう. 2006年から2009年にこれらを進行させた歪増大は,本格的破壊に至る前に2011年3月11日東北弧沖平成oAcJHs巨大地震M9.0(図849右中時系列図2010年上の横線)発生で中絶すると共に,沈込みSlab先端が下部Mantle上面に突入し,600㎞以深の2012年8月14日M7.7pb深度610㎞・2013年5月24日M8.3深度632㎞を誘発した後,2025年までの長期静穏期へ移行した.
長期静穏期後,2025年7月30日oAcCKamcM8.8から開始された千島海溝北東・南西両端のSlab過剰域における千島弧沖震源帯oAcCの活動は2026年2月13日深度10㎞のoAcCEtrM5.4+ps以後途絶えている.この活動によってSlab過剰域の歪は解放されたが,Slab不足域の千島海溝中央域の歪は蓄積されたままである.この歪が千島海溝域西方の千島弧地殻・MantleとAmur PlateとのPlate境界である間宮海峡に沿う東北日本海岸・東北日本海岸沖震源列の留萌震源区 JscJRm・oJscJRmで解放されたのが2026年1月12日M4.1から開始した速報解群発地震であろう(月刊地震予報197).この群発地震も2026年2月27日M4.1を最後に20個で終了している.
今後は,沈込Slab面積不足によって固着し,静穏を保ってきた千島海溝中央域の太平洋Plate・北米Plate境界における歪増加に伴って発生する地震活動を,東北弧沖平成巨大地震M9.0に至る地震活動と比較しながら注意深く見守ることにする.
2026年2月28日 発行
1.2026年1月の地震活動
気象庁が公開しているCMT解によると,2026年1月の地震個数と総地震断層面積のPlate運動面積に対する比(速報36)は,日本全域で18個0.235月分,千島海溝域で6個0.312月分,日本海溝域で8個0.245月分,伊豆・小笠原海溝域で1個0.412月分,南海・琉球海溝域で3個0.091月分であった(2026年1月日本全図月別).
2026年1月の総地震断層面積規模はΣM6.6で,最大地震は2026年1月13日の千島小円区深度30㎞の千島弧沖択捉震源区oAcCEtrM6.2Psであり,この他にM6.0以上の地震はなかった.ただし,CMT規模M5.8であるが初動規模M6.4のCMT解が2026年1月6日10時18分深度11㎞の西南日本海岸l中国震源区JscPhChgkにあった.
最大地震の最大震度は2で震度1以上の分布は北海道南東岸と三陸沿岸域であった(図640).

図640.2026年1月13日千島小円区深度30㎞の千島弧沖択捉震源区oAcCEtrM6.2Psの震度分布(気象庁HPより).
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2026年1月までの日本全域2年間のCMT解は395個で(図641),その総地震断層面積規模ΣM8.9のPlate運動面積規模M8.3に対する面積比は5.385倍と大幅に超過している(図641の中図上).日本全域と千島海溝域のBenioff曲線(図641右図上左端Total/4と右端Chishima[A])は2025年7月30日の最大地震M8.8(月刊地震予報191)の巨大な段差に隠され他の段差は見え難いが,琉球南海域(図641右図上左端の右側のRykNnk[D])には,下端の2024年4月3日の台湾海溝震源帯M7.4(月刊地震予報176),2024年8月8日九州小円区深度36㎞の日向灘M7.0(月刊地震予報180)の2つの段が認められ,それ以降静穏化していたが,2025年1月13日日向灘M6.7(月刊地震予報185)の3つ目の段が認められる.千島海溝域は,2025年に入り完全無CMTを保ってきたが(図641右下地震断層面積移動平均規模areaM図右端A),5月31日に5月最大地震M6.1が起こり(月刊地震予報189),6月22日にも6月最大地震M6.0が続き半年ぶりに活動期入していた(月刊地震予報190).琉球南海域[D]では6月22日に悪石島連発地震が開始され(月刊地震予報190),千島海溝域で7月30日のM8.8最大地震(月刊地震予報191)に続き9月19日M7.8が起こったが歪軸方位に変化がなく(月刊地震予報193),千島海溝域の歪の完全解放に至っていない.静穏化の続いていた日本海溝域[B]では2025年12月8日の最大地震東北前弧沖下北震源区ofAcJSmkM7.4psに続きその東方の深度の浅い東北弧沖襟裳南震源区oAcJEsで12月9日M6.0Ps・M6.5Ps・12月12日M6.8psと東北弧沖久慈震源区oAcJKjM12月31日M6.0Psが起こっていたが(月刊地震予報196),2026年に入り千島海溝域の択捉沖で1月最大地震が起こり,巨大地震の予想される得撫に近付いているので警戒が必要である.

図641 .2026年1月までの日本全域2年間CMT解.
左図:震央地図,中図:海溝距離断面図.震源円の直径は地震規模Mから算出される地震断層長L km( =100.6M-2.9 )で,面積は地震断層面積Sf km2 ( =101.2M-9.9 )に比例月刊地震予報173).ただし,この期間の地震規模は小さいのでCMT規模にΔM+1.0を加えて4倍拡大した地震断層長を使用.数字とMは,M7.0以上と2026年1月最大のCMT解発生年月日・規模.
右図:時系列図は,海洋側から見た海溝域配列に合わせ,右から左にA千島海溝域Chishima,B日本海溝域Japan,C伊豆・小笠原海溝域OgsIz,D南海・琉球海溝域RykNnk,日本全域Total,を配列.縦軸は時系列で,設定期間開始(下端2024年2月1日)から終了(上端2026年1月31日)までの731日間で,右図右端の数字は年数.設定期間の250等分期間2.9day(右下図右下端)毎に地震断層面積を集計・作図(速報36;特報5).
Benioff図(右上図)の横軸はPlate運動面積で,各海溝域枠の横幅はこの期間のPlate運動面積に比例させてあり,左端の日本全域Total/4のみ4分の1に縮小.
階段状のBenioff曲線は,左下隅から右上隅に届くように横幅を合わせ,上縁に総地震断層面積ΣMのPlate運動面積に対する比を示した.下縁の鈎括弧内右の数値[8.3] [7.9] [7.6] [7.5] [7.9]は設定期間のPlate運動面積が1個の地震として解放された場合の規模で,日本全域ではこの間にM8.3の地震1個に相当するPlate運動歪が累積する.上図右下端の(M6.1step)は,等分期間2.9日以内にM6.1以上の地震がTotal/4のBenioff曲線に段差を与える.
地震断層面積移動平均規模図areaM(右下図)の横軸は地震断層面積規模で,等分期間「2.9day」に前後期間を加えた8.7日間の地震断層面積を3で除した移動平均地震断層面積を規模に換算した曲線である.右下図下縁の「2,5,8」は移動平均地震断層面積規模「M2 M5 M8」.右下図上縁の数値は総地震断層面積(km2単位)である.
areaM曲線・Benioff曲線の発震機構型による線形比例内分段彩は,座屈逆断層型pbを橙色・剪断逆断層型psを赤色・横擦断層型nを緑色・正断層型tを黒色.
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2.2026年1月13日の千島小円区深度30㎞の千島弧沖択捉震源区oAcCEtrM6.2Ps
2026年1月13日16時34分千島小円区深度30㎞の千島弧沖択捉震源区oAcCEtrでM6.2Psが発生した.
本震源区の属する千島弧沖震源帯は,太平洋Slab上面と千島弧下部地殻が接し,摩擦抵抗によって固着している間にPlate運動による剪断歪が蓄積し,限界に達すると海溝型地震を起こし,階段状の地震断層面積解放Benioff曲線と成る(図642右図中時系列図左縁).最大の段は1994年10月4日深度28㎞M8.2であり10月9日深度1㎞M6.0まで最大M7.3の余震9個が続く.次大は1958年11月7日M8.1 であり11月15日M6.1まで最大M6.7の余震4個が続く.最大CMT解は1995年12月4日深度10㎞M7.4Psである.

図642.2026年1月までの千島弧沖択捉震源区oAcCEtrの観測地震とCMT解.
左図:震央地図,中図:海溝距離断面図,右図:縦断面図;右中図:時系列図;右下図:主歪方位図.
震源円の直径は地震規模Mから算出される地震断層長L km( =100.6M-2.9 )で,面積は地震断層面積Sf km2 ( =101.2M-9.9 )に比例.ただし,本震源区の規模が小さい為ΔM+0.5を付し震源円の直径を地震断層長の2倍に拡大.
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本震源の択捉震源区oAcCEtrやKamchatka震源区oAcCKamcは,千島海溝と日本海溝およびAleutian海溝との接続部に近接し,海溝軸の輪郭が島弧側に凸なため,沈込む太平洋Slabが過剰になり襞を形成するが沈込み障害は少なく.周辺海溝域の太平洋Slab沈込に伴う誘発地震を容易に起こす.本地震は,2025年7月30日のKamchatka沖M8.8(月刊地震予報191)に誘発された2025年11月9日東北弧沖oAcJ震源帯M6.7(月刊地震予報195),2025年12月8日の東北前弧沖ofAcJ震源帯M7.4(月刊地震予報196)に続くものであろう.
本震源域東方の海溝軸の輪郭が海洋側に凸な千島海溝中央域の得撫・新知震源区では,沈込む太平洋Slabが不足するため,海溝外破断やSlabの短冊状切断なしに沈込めずPlate運動歪を蓄積する.
千島海溝域の海溝軸輪郭による太平洋Slabの過不足と地震活動との関係を検討するため,観測地震を検討する.「月刊地震予報」ではこれまで,1952年11月5日の千島弧沖Kamchatka震源区oAcCKamcの規模をSeno.& Eguchi .(1983)に従いM8.2としてきたが,宇佐美(2003)・平田ほか(2025)・USGSにおいてM9.0とされており,新聞報道でもM9.0が使用されているので,M9.0に改訂する.この改訂によって千島海溝域の最大観測地震は1952年11月5日の千島弧沖Kamchatka震源区oAcCKamcのM9.0,次大が2025年7月30日の千島弧沖Kamchatka震源区oAcCKamcのM8.8となり,Benioff曲線に大きな段差を与えている(図643右中図左縁).

図643.2026年1月までの千島海溝域観測地震とCMT解.
左図:震央地図,中図:海溝距離断面図,右図:縦断面図;右中図:時系列図;右下図:主歪方位図.
震源円の直径は地震規模Mから算出される地震断層長L km( =100.6M-2.9 )で,面積は地震断層面積Sf km2 ( =101.2M-9.9 )に比例.
最大地震1952年11月5日千島弧沖Kamchatka震源区oAcCKamcの規模をSeno & Eguchi (1983)に従いM8.2としてきたが,宇佐美(2003)・平田ほか(2025)に従いM9.0に改訂.
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3.東北日本海岸留萌震源区JscJRmの群発地震
2026年1月12日9時48分M4.1?から1月29日0時42分M4.2?まで襟裳小円北区の東北日本海岸および東北日本海岸沖留萌震源区Jsc-oJsc JRmの深度0‐1㎞でM3.5からM5.2の速報解18個があった.しかし,その発震機構はM4.2以上の1月12日9時50分M5.0tr・1月13日1時58分M5.2pb・1月17日0時39分M4.2pbの3個のみで,他の15個は不明?であった(図644).
この留萌群発地震に先行した2026年1月6日に西南日本海岸中国震源区JscPhChgkM5.8との関連は不明である.

図644.2026年1月の東北日本海岸留萌震源区JscJRmrの速報解.
左図:震央地図,中図:海溝距離断面図,右図:縦断面図;右中図:時系列図;右下図:主歪方位図.
震源円の直径は地震規模Mから算出される地震断層長L km( =100.6M-2.9 )で,面積は地震断層面積Sf km2 ( =101.2M-9.9 )に比例.ただし,本震源区の規模が小さいのでΔM+3.0を加え地震断層長を64倍拡大.
震央地図の左上から右下方への曲線はAmur AM Plateの北米NAに対するPlate相対運動Euler緯線で,樺太西岸に沿う構造線(黒色)と北海道西岸沖から佐渡に至る日本海底沈込み境界(青線)にほぼ直交しており,地球の裏側の大西洋拡大中央海嶺に対応していることを示唆している.
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日本海岸沖震源列oJscと日本海岸震源列Jscは,Amur Plateが北米Plateに沈込むPlate境界とされているが,Plate相対運動のEuler緯線が樺太西岸の構造線と北海道から佐渡に至る海底地形境界に直交いることがこのPlate境界説を支持している.このPlate境界は地球の裏側では沈込みが拡大に逆転し,大西洋中央海嶺になっている.Plate相対運動は年間1.6cm程度で,日本海溝域のPC-NAの年間8㎝の5分の1に過ぎないが,両震源列の観測地震の総地震断層面積のPlate運動面積に対する比は0.48と半分程度に留まっている(図645).時系列図のBenioff曲線は,1960年から1993年まではPlate運動とほぼ同傾斜であるが,その前後は静穏化している.能登半島地震M7.6(月刊地震予報173)もこれらの震源列に属するが,現在の静穏期における活動と言える.
留萌震源区は日本海岸・日本海岸沖震源列Jsc・oJscの最北部に位置しているが,南部の出羽震源区JscJDwでは1964年6月16日新潟地震M7.5や能登震源区JscPhNotoでは2024年1月1日能登半島地震M7.6(月刊地震予報173)が連発地震の後に発生していることから警戒が必要である(図645)

図645.2026年1月までの日本海岸沖震源列oJscと日本海岸震源列JscのCMT解と観測地震.
左図:震央地図,中図:海溝距離断面図,右図:縦断面図;右中図:時系列図;右下図:主歪方位図.
震源円の直径は地震規模Mから算出される地震断層長L km( =100.6M-2.9 )で,面積は地震断層面積Sf km2 ( =101.2M-9.9 )に比例.ただし,本震源列の規模が小さいのでΔM+0.5を加え地震断層長を2倍拡大.
震央地図の左上から右下方への曲線はAmur AM Plateの北米NAに対するPlate相対運動Euler緯線で,樺太西岸に沿う構造線(黒色)と北海道西岸沖から佐渡に至る日本海底沈込み境界(青線)にほぼ直交しており,地球の裏側の大西洋拡大中央海嶺に対応していることを示唆している.
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4.2026年2月の月刊地震予報
千島海溝域では1994年9月開始CMT解のBenioff曲線(図646)には,開始時・2007年・2013年の3つの段が認められ,その頂点はPlate運動累積面積直線に沿っており,その後長期間,静穏期が継続していたことから静穏期開けに大きな地震の来襲が予測されていた(月刊地震予報166.この予測されていた地震は,2025年7月30日Kamchatka沖M8.8oAcCKamcPsとして起こった(図643).

図646.2026年1月までの千島海溝域CMT解.
左図:震央地図,中図:海溝距離断面図,右図:縦断面図;右中図:時系列図;右下図:主歪方位図.
震源円の直径は地震規模Mから算出される地震断層長L km( =100.6M-2.9 )で,面積は地震断層面積Sf km2 ( =101.2M-9.9 )に比例.
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2025年7月30日千島弧沖Kamchatka震源区oAcCKamcM8.8Psと2025年12月8日東北前弧沖下北震源区ofAcJSmkM7.4ps・東北弧沖襟裳南震源区oAcJEsの2月9日M6.0Ps・12月12日M6.5Ps・12月28日M6.8psと東北弧沖久慈震源区oAcJKjの12月31日M6.0Ps(月刊地震予報196)は何れも千島海溝南北端の海洋に凹の輪郭部に位置し,最初のKamchatka震源区M8.8による北端の歪解放に南端の地震活動が誘発されたのであろう.多くの震源区に跨る活動は余剰Slabの襞(図464a)を反映していると考えられる.
千島海溝中央の海洋側に凸の海溝軸輪郭から沈込む得撫Ur・新知Sms・松輪Mtw震源区では,沈込Slab面積が不足する為に裂けるか海溝外の海洋底を破断しなければ沈込めない(図647).沈込Slab面積不足による海溝外地震は,2009年1月16日千島海溝松輪震源区TrCMtw M7.4Pbとして起こったが,2011年3月11日東北弧沖平成oAcJHs巨大地震M9.0の発生によって中断して現在に至っており,数年から10年以内のM9級巨大地震に警戒が必要である.
2026年1月12日から開始された東北日本海岸JscJ・東北日本海岸沖oJscJ震源列の留萌震源区 JRmの群発地震(図644)は,2025年7月以降の千島海溝域の地震活動や先行した2026年1月6日の中国震源区M5.8と関連しているのか不明であるが,両震源列のM7級の被害地震に群発地震が先行していることから警戒が必要である.

図647.海溝輪郭による沈込みSlabの過不足.
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引用文献
平田 直・森田裕一・岩崎貴哉・古村孝志・石山達也・佐藤比呂志・小原一成・西山昭仁・佐竹健治(2025編)地震の大辞典.朝倉書店(東京),558p.
宇佐美龍夫(2003)日本被害地震総覧.東京大学出版会(東京),605p.
2026年1月17日 発行
1.2025年12月の地震活動
気象庁が公開しているCMT解によると,2025年12月の地震個数と総地震断層面積のPlate運動面積に対する比(速報36)は,日本全域で34個3.423月分,千島海溝域で5個0.066月分,日本海溝域で20個22.251月分,伊豆・小笠原海溝域で2個0.105月分,南海・琉球海溝域で7個0.860月分であった(2025年12月日本全図月別).
2025年12月の総地震断層面積規模はΣM7.6で,最大地震は2025年12月8日の襟裳小円南区深度39㎞の東北前弧沖下北震源区ofAcJSmkM7.4psであり,この他のM6.0以上の地震は12月9日と12月12日の同小円区の深度25㎞・深度33㎞・深度16㎞の東北弧沖襟裳南小円区oAcJEsM6.0Ps・M6.5Ps・M6.8psと12月28日の花蓮小円区深度61㎞の西南平面化台湾震源区uBdPhTwのM6.6pb,12月31日襟裳小円南区の深度37㎞の東北弧沖久慈震源区oAcJKjのM6.0Psが加わった.最大地震M7.4psでは震度6強が最大で北海道から関東地方の太平洋岸さらに若狭湾まで震度1以上であった(図635).

図635.襟裳小円南区の東北前弧沖下北震源区ofAcSmkの2025年12月8日深度39㎞M7.4ps・東北弧沖襟裳南震源区oAcJEsの12月9日深度25㎞M6.0Ps,M6.5Ps深度33km・12月12日深度16㎞M6.8psと花蓮小円区の西南平面化台湾震源区uBdPhTwの12月28日深度61㎞M6.6pbの震度分布(気象庁HPより).
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2025年12月までの日本全域2年間のCMT解は401個で(図636),その総地震断層面積規模ΣM8.9のPlate運動面積規模M8.3に対する面積比は5.504倍である(図636の中図上).日本全域と千島海溝域のBenioff曲線(図636右図上左端Total/4と右端Chishima[A])は2025年7月30日の最大地震M8.8(月刊地震予報191)の巨大な段差に隠され他の段差は見え難いが,琉球南海域(図636右図上左端の右側のRykNnk[D])には,下端の2024年1月1日能登半島M7.5(月刊地震予報173),2024年4月3日の台湾海溝震源帯M7.4(月刊地震予報176),2024年8月8日九州小円区深度36㎞の日向灘M7.0(月刊地震予報180)の3つの段が認められ,それ以降静穏化していたが,2025年1月13日日向灘M6.7(月刊地震予報185)の4つ目の段が認められる.千島海溝域は,2025年に入り完全無CMTを保ってきたが(図636右下地震断層面積移動平均規模areaM図右端A),5月31日に5月最大地震M6.1が起こり(月刊地震予報189),6月22日にも6月最大地震M6.0が続き半年ぶりに活動期入していた(月刊地震予報190).琉球南海域[D]では6月22日に悪石島連発地震が開始され,千島海溝域で7月30日のM8.8最大地震(月刊地震予報191)に続き9月19日M7.8が起こったが歪軸方位に変化がなく,千島海溝域の歪の完全解放に至っていない.静穏化の続いていた日本海溝域[B]では2025年12月8日の最大地震東北前弧沖下北震源区ofAcJSmkM7.4psに続きその東方の深度の浅い東北弧沖襟裳南震源区oAcJEsで12月9日M6.0Ps・M6.5Ps・12月12日M6.8psと東北弧沖久慈震源区oAcJKjM12月31日M6.0Psが起こっている.

図636 .2025年12月までの日本全域2年間CMT解.
左図:震央地図,中図:海溝距離断面図.震源円の直径は地震断層長である(月刊地震予報173)が,この期間の地震規模は小さいのでCMT規模にΔM+1.0を加えて4倍拡大した地震断層長を使用.数字とMは,M7.0以上と2025年11月最大のCMT解発生年月日・規模.
右図:時系列図は,海洋側から見た海溝域配列に合わせ,右から左にA千島海溝域Chishima,B日本海溝域Japan,C伊豆・小笠原海溝域OgsIz,D南海・琉球海溝域RykNnk,日本全域Total,を配列.縦軸は時系列で,設定期間開始(下端2024年1月1日)から終了(上端2025年12月31日)までの731日間で,右図右端の数字は年数.設定期間の250等分期間2.9day(右下図右下端)毎に地震断層面積を集計・作図(速報36;特報5).
Benioff図(右上図)の横軸はPlate運動面積で,各海溝域枠の横幅はこの期間のPlate運動面積に比例させてあり,左端の日本全域Total/4のみ4分の1に縮小.
階段状のBenioff曲線は,左下隅から右上隅に届くように横幅を合わせ,上縁に総地震断層面積ΣMのPlate運動面積に対する比を示した.下縁の鈎括弧内右の数値[8.3] [7.9] [7.6] [7.5] [7.9]は設定期間のPlate運動面積が1個の地震として解放された場合の規模で,日本全域ではこの間にM8.3の地震1個に相当するPlate運動歪が累積する.上図右下端の(M6.1step)は,等分期間2.9日以内にM6.1以上の地震がTotal/4のBenioff曲線に段差与える.
地震断層面積移動平均規模図areaM(右下図)の横軸は地震断層面積規模で,等分期間「2.9day」に前後期間を加えた8.7日間の地震断層面積を3で除した移動平均地震断層面積を規模に換算した曲線である.右下図下縁の「2,5,8」は移動平均地震断層面積規模「M2 M5 M8」.右下図上縁の数値は総地震断層面積(km2単位)である.
areaM曲線・Benioff曲線の発震機構型による線形比例内分段彩は,座屈逆断層型pbを橙色・剪断逆断層型psを赤色・横擦断層型nを緑色・正断層型tを黒色.
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2.2025年12月8日東北前弧沖下北震源区ofAcJSmkのM7.4と千島海溝・日本海溝域震源帯・震源区区分
2025年12月8日23時15分襟裳小円南区深度39㎞の東北前弧沖下北震源区ofAcJSmkでM7.4psが発生した.深夜にも拘わらず発生から2時間後に気象庁のHPに速報発震機構解の公開が確認されている.最大震度は6強で八戸市のNTT鉄塔破損等の被害と最大70㎝の津波が観測された.気象庁は9日未明,巨大地震の発生可能性が平常時より相対的に高まったとして「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表し,すぐ逃げられる態勢の維持など「特別な備え」を1週間要請した.
東北前弧沖下北震源区の本地震は,1943年6月13日M7.1の最大観測地震を上回り.最大歴史地震1763年1月29日M7.9に次ぐ規模である(図637).最大歴史地震の際は,1763年1月21日から3月15日までM7以上の地震が続いた(宇佐美,2003;平田ほか,2025).

図637.東北弧沖下北震源区における1600年以降の地震活動.
震源の丸印の直径は地震規模から算出される地震断層長.
中図の海溝距離断面図における震源深度不明の歴史地震については地表に表示,右図上の深度縦断面図のareaM・Benioff図には深度の判明している観測地震についてのみ集計表示.
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2025年11月最大のM6.7ps(月刊地震予報194)の在った東北弧沖久慈震源区oAcJKjは,2025年12月9日M6.0Ps・M6.5Psと12日M6.8psの在った東北弧沖襟裳南震源区oAcJEsの南隣に位置し,2025年12月31日にもM6.0Psがあり,連動していると考えられる.
日本列島は,太平洋底が同心円状屈曲して太平洋Slabとなり島弧地殻・Mantleの下に沈込むため,世界最大の地震活動域となっている.地震活動は,同心円状屈曲沈込域で均等に起こっておらず,海溝軸に平行する3つの震源列Seismic Rowとして起こっている(図638).屈曲開始に伴い海洋底が破壊する海溝Tr震源列(図638右上),島弧下部地殻とSlab上面に沿う剪断破壊の島弧沖oAc震源列(図638中),島弧で最強の土台骨の上部MantleとSlab上面に沿う剪断破壊の前弧沖ofAc震源列(図638左下)である.

図638.千島海溝域・日本海溝域の太平洋底の同心円状屈曲沈込みに伴う海溝Tr震源列・島弧沖oAc震源列・前弧沖ofAc震源列の震源区区分.
右上] 千島海溝TrC震源帯:釧路Ksr・根室Nmr・択捉Etr・得撫Ur・新知Sms・松輪Mtw・温祢古丹Onk震源区.
右下] 日本海溝TrJ震源帯:久慈Kj・昭和Shw・延宝Em震源区.
震源丸印の直径は無調整ΔM=+0.0の地震断層長.
中上]10 千島弧沖oAcC震源帯:根室Nmr・択捉Etr・得撫Ur・新知Sms・松輪Mtw・温祢古丹Onk・Kamchatka Kamc震源区.
中下] 東北弧沖oAcJ震源帯:茨城Ibg・勿来Nks・平成Hs・久慈Kj・襟裳南Es・十勝Tk震源区.
震源丸印の直径は無調整ΔM=+0.0の地震断層長.
左上] 千島前弧沖ofAcC震源帯:釧路Ksr・根室Nmr・択捉Etr・得撫Ur・温祢古丹Onk震源区.西南平面化
震源丸印の直径は,地震の規模が小さいので規模にΔM=+1.5を加えて地震断層長を8倍拡大.
左下] 東北前弧沖ofAcJ震源帯:勿来Nks・阿武隈Abk・金華山Kks・大船渡Ofu・久慈Kj・下北Smk・浦河Ukw震源区.
震源丸印の直径は,地震の規模が小さいので規模にΔM=+0.5を加えて地震断層長を2倍拡大.
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3.2025年12月28日の西南平面化台湾震源区uBdPhのM6.7と西南平面化震源帯の震源区区分
2025年12月28日0時05分に花蓮小円区深度61㎞の西南平面化台湾震源区uBdPhTwでM6.7pbがあった(図639).
台湾海溝域では海溝側のI]西南海溝震源帯TrPhからII]西南平面化震源帯uBdPhそしてIII]西南裂開震源帯RifPhへと地震活動が背弧側に移行することが判明しているが(月刊地震予報159),これまでI]海溝域の地震活動が主体であったが,本地震によってII]への移行が明確になった.

図639.2025年までの琉球海溝域の平面化震源帯uBdPh観測地震と震源区区分.
西南平面化uBdPh震源帯:台湾Tw・琉球Rk・九州Kys震源区.
震源丸印の直径は,地震の規模が小さいので規模にΔM=+1.0を加え地震断層長を4倍拡大.
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4.2026年1月の月刊地震予報
長期に渡る静穏期と下部Mantle上面付近の2012年8月14日M7.7深度610㎞(速報30)・2013年5月24日M8.3深度632㎞に基づき,2011年3月11日東北弧沖平成巨大地震M9.0と下部Mantle上面の地震活動(月刊地震予報173,新妻,2024)を参考に,千島海溝域の巨大地震の来襲を予報してきたが(月刊地震予報166・月刊地震予報175・月刊地震予報180・月刊地震予報182・月刊地震予報184・ 月刊地震予報188),千島海溝の東端で2025年7月30日にKamchatka半島沖M8.8が起こった(月刊地震予報191).
千島海溝の西端に位置する東北弧沖oAcJ震源帯で2025年11月4日から開始され2025年12月の東北前弧沖ofAcJ震源帯にまで及んでいる活動は,太平洋底が千島海溝の東端の北米Plateの下に沈込んだ2025年7月30日Kamchatka半島沖M8.8による誘導地震と考えられる.千島海溝の東西端境界の様に島弧側に凸の海溝軸輪郭から沈込むSlabは過剰になり襞を成しながら自由に沈込めるが,千島海溝中央の様に海洋側に凸の海溝軸輪郭から沈込むSlabは面積が不足する為に裂けるか海溝外の海洋底を破断しなければ沈込めない.千島海溝中央部の得撫島域は,集積していた歪を解放しようとしたが,2011年3月11日東北弧沖平成oAcJHs巨大地震M9.0の発生によって中断して現在に至っており,数年から10年以内にM9級の超巨大地震が予想されるので警戒が必要である.
琉球海溝域の歪解放が海溝期から平面化期に移行したため2016年4月熊本地震M7.3(/4578>速報79)のあった沖縄海盆期へと移行するので警戒が必要である.
引用文献
平田 直・森田裕一・岩崎貴哉・古村孝志・石山達也・佐藤比呂志・小原一成・西山昭仁・佐竹健治(2025編)地震の大辞典.朝倉書店(東京),558p.
新妻信明(2024)2011年3月11日の東北弧沖平成巨大地震M9.0と太平洋Slabの下部Mantleへの沈込および千島海溝域の巨大地震(日本地質学会山形年会,131,T7-O-8)
宇佐美龍夫(2003)日本被害地震総覧.東京大学出版会(東京),605p.